思考の遊園地回廊 #10

命ばっかり / 6年後に好きな人と仕事するわたし

309日目:Solaris

IAMASのオープンハウスがもうすぐで既にワクワクしている。
受験期から薄々悟ってはいたがわたしは本当に動画講義が苦手なようで、定期購読しているプログラムはなかなか視聴が追い付かないが、頑張って続けている。美学校の隔週授業ですら予復習がギリギリなのだから本当にキャパ限界なのかもしれない。

今日は長谷川愛オススメ選書リスト*1に載っていた名作SF『ソラリス』をいよいよ読了した。本質的に私の宗教観とかなり近い本作は、『ハーモニー』ほどのバイブルにはなりえずとも、私の思考領域に多大な影響をもたらしたし、読了後これは自分で購入しなければならない、と確信した。

作中に頻繁に登場する"anthropomorphism"…すなわち「人間形態主義」、稠密性、ジンテーゼ…といったワードはどれも馴染みがたく、しかし理解せねばならぬと思ったからだ。レム自身が自作の映画化についてかなり批判的だったことで(特に『ズヴェズダー*2』に寄せられた彼のエッセイはかなり衝撃的だった)、私は名作と名高いタルコフスキーの『惑星ソラリス』を見るのに若干躊躇を覚え始めてしまったのだが、なんにせよこの作品はSFの陥りがちな典型化にスッと刀を差すような挑戦的作品であると感じた。
訳者コメントに引用されていたイヴァン・エフレーモフやメルヴェル『白鯨』といった作品も機会があれば読んでみたい*3


話は変わるが、後輩とトナカイ鍋に行く約束をした。やったー!

*1:『スペキュラティブ・デザインの授業』内に掲載されていたMITベースの選書リスト

*2:ロシア語で「星」という意味で、ロシアではメジャーな文芸雑誌らしい、notSF専門誌

*3:あといい加減、「シミュラクル」「脱構築」と言う単語を常用したいし、カタストロフとか普通に言いたい。